聖岳(ひじりだけ)
3013m



小聖岳から見た聖岳        撮影=塩月



 南アルプスの聖岳(ひじりだけ)です。

 標高3000mの山と聞くと,日本人のほとんどが“そりゃたけぇ(高)山だなぁ〜”と感じるのではないでしょうか?日本一の富士山が4000mにとどかないので,ある意味同じくくりの山という印象を受けてしまうからだと思います。(そうかな?)まぁ,そんなことはどうでもいいのですが,この聖岳は南アルプスで一番南にある3000m峰です。つまり富士山がなければ,日本で一番南にある3000m峰ということです。
 じゃあ,一番北にある3000m峰はなんぞや?
 知らんなぁ・・・

 この聖岳。なんといっても名前がかっこいい!!いかにも何かいそうな感じを受けます。なんていうか,頂上に祠かなんかあって,その中に仙人が住んでいそうな感じでしょうか?仙人が千人?って,わけわからんな・・・

 そのときの日程です。
 12月7日:便ヶ島登山口〜西沢渡〜薊畑〜聖岳〜薊畑〜西沢渡〜便ヶ島登山口


 聖岳への登山口は,長野県側では便ヶ島登山口になります。赤石岳や光岳から縦走してくるのでなければ,ここからが一番近いのではないでしょうか?
 便ヶ島登山口へは,上村の下栗の里を抜けてきます。ちなみにこの下栗の里は“日本のチロル”と呼ばれています。標高1000mの山間部に民家が点在し,そしてアルプスが一望できる。そんな場所です。飯田を出発したのが朝の4時ごろで,下栗を通ったのは5時過ぎごろです。当然,真っ暗です。写真が撮れないので,皆さんには“チロルを想像してください”としか言えないのですが,実際はそんな素敵な場所ではなかったりします。ていうか,ただの田舎です。強烈なほどの山奥にある“田舎”だと思ってください。そこら中に鹿がいます。もうビックリ!道路や駐車場,そして家の庭といたるところから鹿が出てきます。この村では鹿を飼うのがブームになってるかと思ったぐらいです。実際に村の奥様方が“うちのバンビ自慢”を繰り広げていたら恐ろしい話です。別に恐ろしくはないかも・・・でも,それぐらい鹿が村中にいました。

 下栗の里から狭い林道を車で走って便ヶ島へ向います。雪が積もると車が通れなくなるので注意が必要です。
 
 朝の6時ごろ便ヶ島登山口に到着しました。飯田市から2時間ほどかかりました。
 びっくり!!したのは,ここに新しい山小屋が建設されていることでした。いつから営業しているのか,もしくは来シーズンからの営業なのかはわかりませんが,看板には“聖光小屋”と書いてありました。写真がなくて見てもらえないのが残念ですが,とても立派な山小屋です。

 便ヶ島登山口から,しばらくは林道を歩いていきます。だんだんと明るくなってきて,これから向う山が見えてきました。

 林道から見た南アルプス方面
 山の上には雲がかかって嫌な感じです。雪もけっこう積もっています。
 実は出発する直前まで雨が降っていて,行くか行かないかかなり迷っていました。
 撮影=塩月

 曇っていましたが,天気予報では“快(回)復傾向”とのこと。ここまできたら信じるしかないっしょ!

 30分ほど林道を歩くと,西沢渡という場所に着きます。
 ここから本格的な登山道となるわけですが,なんということ!ここで沢を渡渉しなければなりません。12月のこんな寒い時期に,ヤマブシじゃあるまいし,なんで水に浸かってまで山登りをするのか?と自分でも思ったりもします。しかし,ここにはとても素敵な乗り物が用意されていました。

 荷物運搬用のゴンドラ?
 普段は営林署の資材の運搬に使われているゴンドラ。人は当然!乗車禁止です。
 撮影=塩月

 実を言いますと,このゴンドラが使えるかどうかが今回の山行の鍵でした。渡渉をしなければならなかったら,あきらめて帰ろうと考えていましたが,これを使えるという情報がありまして今回の山行を計画したわけであります。ただしこのゴンドラですが,荷物運搬用なので人が乗って事故を起こした場合は,ここを管理している人たちに迷惑がかかるのを忘れてはイカンということです。

 西沢渡を過ぎると,すぐに廃校のような営林署小屋があります。

 営林署小屋
 ふつうに生活できそうな場所でした。
 撮影=塩月

 登山道は営林署小屋の右をまわりこんで後ろを通っています。ここからは,ズ〜と急登が続きます。強烈にきつい登りです。いや,ホントにつらいよ!。

 
 だけど,さすがに山深い南アルプスだけあって,深山的な雰囲気が漂うすばらしい森でした。今まで見てきたものはいったいなんだったんだと感じるほどです。

 苔生した岩に雪がうっすらと積もる。

 撮影=塩月
 

 撮影=塩月
 
 ここは本当に素晴らしい。このまま森の住人になりたいぐらいです。
 しかし,どんどん高度を上げると雪も多くなってきます。そして当然寒さも・・・
 
 雪で真っ白け。
 モウレツに寒くなってきました。ちょっと雪も降ってるし・・・
 だけど雰囲気は,いい感じですよね。
 撮影=塩月

 だんだん雪も多くなり高度を上げたな〜と思っていると,気がつけば薊畑(あざみばた)に着いたではありませんか!しかも猛烈に吹雪いてんだけど・・・
 
 薊畑
 ここは聖平小屋のある聖平と聖岳方面への分岐点です。強烈に吹雪いていて,目を開けるのもつらいぐらいです。
 ちなみにここに到着したのはam10:00ごろです。 
 撮影=塩月

 分岐から聖岳方面へ,少し急登があって稜線上へ出ます。
 なんということ!稜線上は強烈な風で目を開けるのがやっとです。ゴーグルを忘れてきたのは,致命的です。
 
 ジュヒョォー
 強烈に寒いよ!風も強すぎ!!
 撮影=塩月

 しかし来てしまったらしょうがない。頂上を目指すのみです。しばらくすると視界が開けてきました。天気は快復傾向の予感。
 すると!突然,目の前が明るくなり,聖岳が現れるではあ〜りませんか!!

 突然現れた聖岳。
 ビックリしました。
 あまりの貫禄に,腰を抜かすかと思いました。
 撮影=塩月
 あまりに衝撃的!私の予想をはるかに上回るすばらしい山です。テンションは否応がなしにもあがってこようモン!!
 だからといって,天気がよくなったというわけではないのですが・・・
 
 こんな感じで真っ白です。
 稜線上は,雪は少ないですが,ガリガリに固まった氷のような雪でまいりました。
 撮影=塩月

 途中,稜線の東側をトラバース状に歩いて小聖岳(2662m)というピークへ出ます。
 このへんから,天気がだんだんと良くなってきます。ここから見た聖岳はサイコーです!!

 小聖岳から見た聖岳
 ホントにきてよかった。
 撮影=塩月

 素晴らしい!ホントに素晴らしい!!ああ聖岳!!生きてて良かった。って,別に死のうとした覚えはないけど・・・とりあえず,このときの感動は言葉にできないほどでした。

 風が強くてとても寒いのですが,“あと少し”と自分に言い聞かせながら頂上を目指して歩きます。
 ここでアイゼンを装着しました。

 小聖岳からは,痩せ尾根が続きます。そこを通過すれば,いよいよ最後の急斜面です。

 最後の斜面
 近すぎてよくわからんな・・・
 撮影=塩月

 小聖岳を振り返る
 あいかわらずガスってるんですが・・・
 右上のピークっぽいところが小聖岳です。
 撮影=塩月

 最後の急斜面は,とりあえず“男は黙って直登!!”ということでまっすぐ行ってみるのですが,だいたいそんなときって八方塞がりになってマキマキのルートになってしまうんですよね。今回も結局,途中から斜面の右側を大きく巻くことになりました。

 最後の斜面を途中見下ろす。
 けっこうな高度感。
 久しぶりの冬山にちょっとビビリ気味。
 撮影=塩月

 しかし,この斜面はつらかった。やはり3000m近くになると空気が少し薄いせいだと思うのですが,非常につらく感じます。しかも見た目よりズット距離があるので,登っても登ってもなかなか頂上に着きません。
 
 そして,ヘトヘトになってようやく頂上に到着です。しかし,そこで待っていたのはすさまじい強風でした。
 聖岳の頂上は,広々としたプラトーな場所です。そのためよけるものが何もなくて,風をモロに受けてしまいます。あまりの強風に頂上へ出るのには,かなりの勇気が必要でした。まさに突撃って感じです。

 しかしそこからの景色は感動モンです。

 聖岳頂上から見た赤石岳

 撮影=塩月
 兎岳

 撮影=塩月
 
 聖岳頂上から見た奥聖岳

 撮影=塩月
 フジヤマサイコー!

 撮影=塩月

 そしてとりあえずの証拠写真。
 とりあえず・・・
 撮影=塩月

 聖岳の登頂まではこんな感じです。
 頂上に到着したのは,ちょうど12時ぐらいで,下山したのは夕方4時ぐらいです。日帰り登山では,まぁまぁの場所ではないでしょうか?とは言っても,日帰りはあまりお勧めしません。聖平で一泊すると,もっと快適な山行を楽しめるでしょう。

 いつもは,このへんで“ではでは”という感じですが,下山のときのほうが天気が良かったので,そのとき撮った写真をいくつか紹介します。

 雷鳥

 撮影=塩月
 樹氷 まるで桜のようです。

 撮影=塩月

 上河内岳
 下のほうに聖平小屋が小さく写っているのがわかりますか?
 撮影=塩月

 
 とまぁ,こんな感じで2003年の冬山シーズンが始まったわけですが,あまり無理をしないように楽しんでいこうかと思います。
 

 そんなもんで。


謎の看板

こんなとこで?と思うようなとこにこの看板。実際通じました。すげー!i-modeもOK!