越百山・南駒ケ岳
千人塚公園から 撮影=塩月
中央アルプス越百山(2613m)・南駒ケ岳(2841m)です。
“かつてこれほどてこずった山があったであろうか!?”とあえて言いたい。
というのも実は,私はこの山に登ろうとして4度も失敗しているです。私にとってこの山(山域)は,“鬼門”であると言わざるをえない!
とりあえずそのことから説明します。
この山に最初に登ろうと思ったのは,昨年,2003年の2月です。こっち(飯田市)に越してきて最初の冬で,“とりあえずかたっぱしから登っとけ!”みたいなノリで計画した山の一つでした。
ろくに地図も見ないで,なんとなく登山口に向ったのを覚えています。登山口へ続く道は,大量の雪で,私の愛車VIVIO(軽)がいつスタックするかヒヤヒヤしながら運転し,とりあえず行けるところまで行って車を降りようと考えました。
もう限界!ってとこで車を道の脇に駐車し登山口へとむかったわけですが,そこから見た仙涯嶺(せんがいれい)の美しさに感動したものでした。
| 林道から見た仙涯嶺 撮影=塩月 |
仙涯嶺は越百山と南駒ケ岳の中間にあるピークです。 越百山を通って南駒ケ岳に登る場合は,ここを越えなければなりません。 あたりまえだけど・・・ |
車を降りてから林道を1時間半ほど歩いたでしょうか?ようやくシオジ平自然園へ到着です。
普通だとここまで車で入れるのですが,冬なので仕方がありません。すでにラッセルで疲労コンパイです。ちょっと中小川非難小屋で一休みです。
| 中小川非難小屋 撮影=塩月 |
な,なんだろうこの雪の多さは? 少し左に傾いていますが,この小屋がボロくて雪の重みで潰れかけてるわけではありません。ただ単に私のカメラの腕が悪いだけです。 |
なんでか知りませんが,小屋の扉が開いたままになっていました。中には多量の雪が入り込んでいて,悲惨な感じです。
ドアの横に,登山計画書を入れるポストを発見。ここで登山計画書を出すついでに,中に入っていた他の人の計画書を見てみることに。
“な,なんだぁ?年末年始はだれも(山に)入ってないの?”
年末年始どころか,昨年の10月下旬を最後に,誰かここから越百山方面へ向ったパーティーの痕跡はみあたりませんでした。(あくまで登山計画書のみで判断です。)
こ,これはいったい・・・
一気にテンションが下がります。
確かに,そんなメジャーなところではないと思いますが,冬になるとほとんど人が入らないっていうのはなんだか危険すぎます。
い,いやっ,冬山なんてそんなもんだったかもしれない・・・ただ,こういう人の痕跡みたいのを見てしまうと,いろいろ余計なことを考えてしまうものです。山に登るとき,特に単独の場合は,“何も見ない”ほうが,鉄の意志をたもてるのかなぁと思ったりします。
気を取り直して,中小川非難小屋を出発することにしました。
しかし,回復不能なほど下がってしまったテンションと深い雪のため,この日は中小川登山道入り口の看板をしばらく行ったところで山行を中止することにしました。
でも実際のところは,雪でルートがさっぱりわからないというのが本当の理由です。マジ,わからなかった!森の中でも多少は見当がつくものですがさっぱりです。このまま行っていたら,確実に遭難です。
後日,この話を山岳会の先輩方にすると,
“いや〜,あそこは沢ぞいをずっと行くからねぇ。冬は雪崩れの巣になって危ないんだよ。”
だそうである。
行かなくてよかった・・・
中小川登山道は“冬は立ち入り禁止です!!”
しかし,私としては“山は雪のあるころが一番きれいだ。”と思っているので,積雪期にぜひ!またここに来ることを誓うのでした。
ここで個人的な好みを言わせてもらいますと,積雪期の山で一番好きな時期は初冬です。11〜12月の中ぐらいのまだ雪の少ない時期に,さらさらの新雪がほどよく積もった感じが大好きです。ラッセルで苦しまない程度に山行を楽しめれば,これまたよしです。
そんなわけでここは,次の冬山シーズンが来るまで待って,そのシーズンの早い時期に登ろうと勝手に自分の中で決めました。そしてその日はやってきたわけですが・・・。
12月23日 快晴!
今日こそは!!と意気込んで出発するも,予想以上に積雪があります。というより,不幸にもこの2日前に記録的なドカ雪が降ってしまいました。
登山口へと続く林道は,ほとんど車で進めません。歩いていくにも遠すぎます。
というわけであえなく敗退です。まさに,“戦わずして負けた”という感じでしょうか。い,いや, 戦ってたら死んでいたな・・・確実に。
そんなわけで,この日も失敗。とりあえず,里(飯島町)で,記念に山を写真におさめて違う山に向いました。
(ちなみにこの日,予定を変更して向ったのは三ノ沢岳です。)
| モリゲンロートの南駒ケ岳 撮影=塩月 |
すばらしい! “今日登らずして,いつ登りに行くんだ?!”っていう天気ですが,この日もあえなく敗退です。 |
そして,年が明けた2004年の3月。
ダメモト覚悟で偵察をかねて乗り込むのですが,登山口から少し歩いたところで,雪が多くてあっさりあきらめ敗退。
その翌月の4月23日。
“もう春じゃねぇーか!雪ぐちゃぐちゃに腐ってるよ!”って嘆きつつも,“積雪期ということでまぁいいか”的な感じで4回目の挑戦をすることに。
しかし登山口まで到着するも,天気予報は“晴れ”だったのになぜか“大雨”。あえなく敗退。
5月に入り,“こりゃ,来年かな?”と考えはじめたころ,絶好の登山日和にお休みがもらえることに。“雪はほとんど無くなっているけど,一度行ってみますかなぁ”てな感じで,とりあえず出発しました。
というより,この山に登るのに,なんで積雪期にこだわらなくちゃいかんのか,もうわけわからん!
ということで,ゴールデンウィークも過ぎた5月15日(大安)に,5回目の挑戦でようやく悲願の山に登頂することができたのでした。
ちなみにこの日,5月15日はヨーグルトの日です。ヨーグルトを研究したロシア人科学者,メチニコフ博士の誕生日にちなんで制定されました。
つづく。
メチニコフ博士
