ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番



Sergei Rachmaninoff
(1873-1943)

ダンディズム



ご紹介するのはラフマニノフ作曲ピアノ協奏曲 第3番です。

このピアノ協奏曲 第3番は映画「シャイン」で有名になったので,知っている方も多いと思います。実は私も,映画
「シャイン」を見て感動して,この曲を好きになったシダイであります。

その映画の内容は,主人公のピアニスト デヴィット・ヘルフゴットの人生を描写したものです。
主人公ヘルフゴットは,幼い頃から,このピアノ協奏曲第3番に憧れてピアノを猛練習するのだが,コンクールでこの
曲を弾き終えたとき精神的にやられてしまうという,なんともトホホなストーリーです。ていうか,主人公はもともと頭を
やられていたんじゃねえかと思うのだが。でも結果オーライッ!のエンディングで,かなり幸せな気分になれた気が
します。とりあえず,一度は見てみる価値はアリアリかな?


参考として,クラシック不滅の名盤800:音楽之友社での,ラフマニノフの解説を紹介いたします。



「作曲家としてのラフマニノフは,周知のように革新的な技法・書法・スタイルとは終生無縁であった。ではある
が彼が主たる創作領域としたピアノ音楽においては,リストが追求してきた近代ピアノの可能性を,リストの精
神を引き継いでさらに探求,結果として二十世紀のピアニストたちに,彼らが克服しなければならなぬ演奏技巧
の水準を明示する役割を渡した。ラフマニノフの存在がピアノ演奏の技術的水準を向上せしめた。 ―少なくと
も向上を早めた― のは疑いのない余地がない。」




ダラダラと書いてますけど,ようするに彼の曲を演奏するのは非常に難しいということです。映画の主人公が気が狂う
のもわかります。


ラフマニノフのピアノ協奏曲では, 他に第2番第3番と同様に人気があります。私も第2番の方がどちらかというと
好きだったりしますが,まぁいいや。



それでは,ピアノ協奏曲 第3番のCDをご紹介したいと思います。

私の持っているピアノ協奏曲 第3番は以下の4つの録音です。


・ウラディミール・ホロヴィッツ(p)    ユージン・オーマンディ指揮 ニューヨークpo 録音1978年1月8日(ライブ)
・マルタ・アルゲリッチ(p)         リッカルド・シャイー指揮 ベルリン放送so 録音1982年12月(ライブ)
・デヴィット・ヘルフゴット(p)       ミラン・ホルヴァート指揮 コペンハーゲンpo 
・セルゲイ・ラフマニノフ(p)       ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィアo 録音1939年12月,1940年2月



その中でも,私が最も好きな(オススメする)のが,ホロヴィッツ演奏のものです。


私のオキニーです。

ウラディミール・ホロヴィッツ(p)
ユージン・オーマンディ指揮 ニューヨークpo
録音1978年1月8日(ライブ)



なんと表現したらいいでしょうか。一つ一つの音がとても鮮明で,かつ透明感のある響きという感じです。
とてもやさしい音がします。かなりいいね。まじで。
しかし,激しい盛り上がりを見せる部分での強靭な音は,とても写真のじいさんが弾いているとは思えないほど豪快
な表現です。
私は技術的にうまいとかヘタクソとかはわからないが,これはマジでいいよ!!






次に私が好きなのは,マルタ・アルゲリッチ演奏のものです。


なかなかの女である

マルタ・アルゲリッチ(p)
 リッカルド・シャイー指揮 ベルリン放送so 
録音1982年12月(ライブ)



このCDの解説には,アルゲリッチが心技ともに最高潮にあった時のライブと書いてある。私はこの表現を,女とし
ても最高であったと解釈した。マジでいい女である。
ところが,演奏は女性が弾いているとは思えないほど豪快な音である。なんてスケールがでかいんだ!!すげえよマル
タ!!
惜しいかな。彼女がロックの道を進んでいたら,きっとパティ・スミスぐらいの大物になっていたに違いない。






ついでと言っては何ですが,映画「シャイン」のモデルになったデヴィット・ヘルフゴット氏の演奏したものをご紹介しま
す。


映画では,はげてませんでした。

デヴィット・ヘルフゴット(p)
ミラン・ホルヴァート指揮 コペンハーゲンpo



どうなんだろう?微妙だ。
うまい・下手はわからないし,そんなことはどうでもいいのだが,何と表現したらいいのかわからない音です。しいて言え
ば,アヤウイかな?聴くのがつらい演奏である。
この演奏とは関係のない話だが,とある友人にシャインという映画見たことある?」と聞いてみたら,

「なんだそれ?リストラとかハンガーストライキでもする映画なのか?」

という返事が返ってきた。それは「シャイン」じゃなくて,「社員」だろ!!

と本来だとツッコミを入れるところなんだが,私はそのとき彼が「ハンガーストライキ」という言葉を知っていることのほう
に,動揺を隠せないでいた。しかも,なぜ「社員」という言葉からそれが連想されるんだよ!






そして最後にご紹介するのは,ラフマニノフ本人の演奏によるものです。


まさに自作自演!!

セルゲイ・ラフマニノフ(p)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィアo 
録音1939年12月,1940年2月



こんなのありかよ!!


このCDを見つけたときは,正直言ってそう思いました。
いや,驚いた!!なにより,30年代の録音があることのほうに私は驚いたね!まだロックンロールが存在してない時
代だよ!!
しかも,このCDにはカップリングで協奏曲 第2番が入っているのだが,その録音した年がさらに古く1929年となって
いる。日本がポツダム宣言を受諾する15年以上前の話だ。恐るべし!
この1939年の録音はRCAから発売されたものだが,なぜか最近NAXOSというレーベルから同時期の録音のCDが発
売されました。
そのCDです。


シブイネ!イイネエ!

セルゲイ・ラフマニノフ(p)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィアo 
録音1939年12月,1940年2月



録音された年月,指揮者そしてオケとすべて一緒のことから同じ演奏の録音であることが考えられるが,どうしてこんな
事が起きるのか?不思議だ?
ちなみにこのCDはHMV池袋メトロポリタン店で購入したもので,決してバッタもんではありません。
NAXOSってなんだ?そんなレーベルあったっけ?
このレーベルについて,くわしいこと知っている人がいたら連絡ください。お願いいたします。
ちなみに,このCD値段は990円とすごいおトクナリヨ!!
ちょっとびっくり。RCAのと比べて,音はこちらのほうがいいくらい。とりあえず自作自演の音を聴きたいのであれば
NAXOSのものを買ってみるのもいいかも。


自作自演ということは,作曲した本人が演奏したものなので,考えようによってはそれ以上の演奏はないということにな
るが,私は決してそうは思わない。
人にはそれぞれ,自分に一番あった演奏(テンポや音色など)があり,それにめぐり会うことによって初めて「これ以上
の演奏はない」と言えるのではないかと思う。

ちなみに,ラフマニノフの自作自演盤を聴いたとき,まず感じたのは 速っ!ということです。

これは錯覚か? いや! 確かに速い。

そこで他の演奏と,TOTAL TIMEで比べてみることにしました。



       TOTAL TIME

1位 ラフマニノフ選手 : 34分07秒(RCA盤)
2位 アルゲリッチ選手 : 40分47秒
3位 ヘルフゴット選手 : 42分01秒
4位 ホロヴィッツ選手 : 43分30秒


30分台前半をたたき出したラフマニノフ選手が,ブッチギリで優勝です!おめでとうございます!!
ちなみにNAXOS盤のものは33分47秒と,もっと速い!!





以上のことを考慮に入れて,CDを購入する目安にしてください。
全然ダメ?かな?







おわり





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