甲斐駒ケ岳(かいこまがたけ)
2967m


八合目御来迎場より        撮影=塩月





南アルプスの甲斐駒ケ岳です。

私としては,南アルプス北部の山では一番かっこいい山だと思ってます。綺麗なピラミダル?な山容も美しいのですが,
花崗岩の白い山肌が,なんとなく神聖なイメージをかもしだして,とてもいい感じ。また,なによりその名前がいい!この
山を短く「カイコマ」と呼ぶと,ゴロがよくていい響きです。まぁ,なんとなくですけど・・・
山をあまり知らなかった頃に,“カイコマに登った!”と聞くと,なんだかすごいとこを登ってきたかのような印象を受けて
ました。
その“カイコマ”を初めて見たのは,2001年の10月に北岳に登ったときです。

 北岳肩ノ小屋付近から見た甲斐駒ケ岳
なんかすげぇ〜っていうか,不気味な感じだな。
でも,かっこいい。
 撮影=塩月


山肌が白いので,一瞬,雪が積もっているのかと思ってしまいました。10月なのにそんなこと,あるわけないのに・・・
なにはともあれ,近いうちに必ず登ろうと,このとき決心しました。
そして,この2週間後に甲斐駒ケ岳に登ろうと思って甲府駅に向かったのですが,北沢峠往きのバスが,がけ崩れによ
って不通になってました。なんたること!このときはしかたがないので,金峰山へ予定を変更したのでした。

結局,念願の甲斐駒ケ岳に登頂したのは,それから2ヶ月後の12月の初旬でした。

そのときの日程です。
1日目(2001/12/01):新宿駅〜日野春駅(中央線・中央本線),日野春駅〜竹宇駒ケ岳神社(テント泊)
2日目(2001/12/02):竹宇駒ケ岳神社〜黒戸尾根〜七丈小屋(テント泊)
3日目(2001/12/03):七丈小屋〜甲斐駒ケ岳(往復)〜黒戸尾根〜横手駒ケ岳神社〜韮崎駅(バス)〜新宿駅(電車)

甲斐駒ケ岳へは,長野県側の北沢峠からではなく,山梨県側の白州町から登りました。このルートは,甲斐駒ケ岳が
信仰登山として登られていた頃の表参道だったところで,黒戸尾根という急峻な尾根筋を辿っていくのですが,そのア
プローチの長さや比高差から“日本三大急登”の一つとされています。

1日目は,普通電車でゆっくりと日野春駅に向かいました。昼頃に家を出たので日野春駅に到着したのは,夕方の4時
を回っていました。でも,この日は山道をを歩くわけではないので大丈夫だろうということで,何を思ったのか日野春駅
から竹宇駒ケ岳神社まで,バスを使わずに歩いてしまいました。当然,途中で日も暮れ真っ暗になってしまいます。
結局,竹宇駒ケ岳神社近くのテン場に到着したのは,夜の8時頃でした。アホすぎる。
このときテン場には,私のほかには誰もいなかったので,メチャクチャ恐ろしかったです。小心者の私は,明日このまま
甲斐駒ケ岳に登っても本当に大丈夫なのか不安になり,江川や元大学ワンゲル部員のH川T子に電話をかけるのでし
た。
だいたい,こういうときは誰もつかまらなかったりするのだけど・・・ というより,きっと危険だから止めろと言うに決まっ
てるし。
とりあえずここまできたら登るしかないと覚悟を決めて,誰もいない不気味なテン場で一人,テントを張って寝ることにし
ました。

翌朝は6時に起床,7時に出発しました。
とりあえず駒ケ岳神社に,登山の無事を願ってお参りをしました。

 竹宇駒ケ岳神社
甲斐駒ケ岳の表参道には登山口が二つあって,二つの登山口
のどちらにも駒ケ岳神社があります。
今回は竹宇駒ケ岳神社のほうから登って,横手駒ケ岳神社のほ
うか下山しました。
ちなみにテンとサイトがあるのは竹宇駒ケ岳神社のほうです。
 撮影=塩月


竹宇駒ケ岳神社の脇を歩いて行くと,尾白川にかかっている吊橋があります。それを渡るといよいよ本格的な登山道
へと入っていきます。
樹林帯がしばらく続くのですが,これがかなりキツイ!ゆっくり歩いていたら,途中で一人の登山者に追いつかれてしま
いました。でも,登山者が私一人ではなくて,とてもうれしかったりしました。

それからこの登山者のオッサンと,抜きつ抜かれつ言葉を交わしながら登っていくことに。

 難所の刃渡り
両側が切れ落ちていて,“刃渡り”と呼ばれている箇所です。
よく難所として,雑誌等にその写真が出ていますが,実際はそん
なにたいしたことなかったりします。
あくまで,これから沢山ある,その他の難所と比べてですけど・・・
 撮影=塩月


当初は雪を心配していたが,そのオッサンの話だと,去年のちょうど今ぐらいの時期に甲斐駒ケ岳に登ったが,アイゼ
ン・ピッケルは必要なくて,全然大丈夫だとのこと。
何が全然大丈夫なのかよくわからないが,天気もいいし,少しばかり不安も解消されてだんだんとテンションの上がる
私でした。

 刃渡り付近から見た八ヶ岳
非常に天気が良くて,八ヶ岳がハッキリ見えました。
サイコー!
 撮影=塩月


しかし,なんたること!
私の不安が的中し,5合目に近づくにつれて雪が多くなってきました。なんとかダマシダマシ五合目小屋(無人小屋)ま
で歩き,ここでアイゼンを装着することにしました。ちなみに,12本爪のアイゼンをつけて山に登るのは,このときが初
めてです。

 五合目小屋から見た甲斐駒ケ岳
やっと甲斐駒ケ岳の頂上が見えました。
上のほうは雪で真っ白です。
 撮影=塩月


アイゼンを装着して五合目小屋周辺をウロウロ歩いていると,あのオッサンも到着しました。するとそのオッサンは雪化
粧された山を見て,“ボクはもう帰るよ・・・”とか言い出すではありませんか!
“な,なにー! そのピッケルやアイゼンはなんのためにあるんじゃー!!”と少し思いましたが,自分で登れるか
どうか判断することができる,真の山男を見たような気がします。というか,それが普通なんだろうな。

五合目小屋からは,鎖や梯子がいたるところに設置された岩場が連続します。

 本格的な難所がこれから続く・・・
もうすっかり冬山です。
写真中央下に,梯子(はしご)が小さく写っているのが見えます
か?
これから七丈小屋までは,気持ちに余裕がなくて,写真を一枚も
撮っていません。
 撮影=塩月


自分で言うのもなんですが,このときはよくやったなぁ〜と思います。
12本爪アイゼンを装着するのも初めてなのに,テントや食料などが入ったおもいザックを背負って,あんな岩場を行くな
んて・・・ 本当にどうにかしていると思います。こういうのを無謀登山と呼ぶのでしょう。
だけどこのときは,それほど恐いと感じなくて,ほどよい緊張感で難所を抜けることができたと思います。でも,冬には
二度とここから登らんぞ!マジで!!

途中で,二組程の登山者とすれ違い,七丈小屋に到着しました。到着したのは夕方の4時頃で,小屋にもテン場にも誰
もいませんでした。
テン場には雪がヒザ上ぐらいまで積もっていて,おまけに風もけっこう強い。そんな場所に一人でテントを張るのは,ち
ょっと大変だなぁ〜ってことで,誰もこないことを祈りつつ,テン場と七丈小屋の途中の林に囲まれた登山道に,今日の
宿を設営しました。
この日は,体力的にも精神的にもかなり疲労困憊したので,明日は天気が良くても下山しようかと考えながら寝ました。



甲斐駒ケ岳 後半につづく










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